2011/01/08

■三日目最終公演、終幕!満員御礼!

二日目の興奮さめやらないまま、三日目を迎え無事に終演いたしました!
二日目も、三日目もたくさんのお客様にお越し頂きありがとうございました。
古田敦子の演技も、いつも通り、ピンと張りつめた、
しかしながら清潔で優しく、強く、美しいクオリティーを保っていました。

うれしかったのが本当にたくさんのアンケートにご協力いただき、
トークショーにも殆どのお客様がお残りいただいて、
お時間を共に過ごしてくださいました。
最終日ということもあり予定時間を超えてしまいましたが、
優しくお話を聞いてくださる皆様のお顔が忘れられません。

最終日はお二人のトークショーゲストにお越し頂きました。
お一人目は、古田がミーム・コーポレル・ドラマティックに
出会ったきっかけでもあり、現在も舞台活動を共にしている師、
いいむろなおきさん(いいむろなおきマイムカンパニー)。
いいむろさんはマルセルマルソーのマイム学校の授業で
ミーム・コーポレル・ドラマティックを学ばれていました。


お二人目は、古田が卒業した London International School of Corporeal Mime を
卒業したひとりめの日本人女性(当時の学校はパリ、その後ロンドンに移転)
府中しのぶさん。
府中さんは、卒業後も学校付属の劇団に所属し公演活動を続けられ、その後帰国されました。
帰国後は、様々な演劇活動を経て現在は、劇団おはなしキャラバン”つばさ”という人形劇団で
福祉活動をされていらっしゃり、障害をもつ人達への公演も数多く、
その実績が認められ第39回毎日社会福祉顕彰受賞されました。


現在の情報では、この学校の卒業時に授与されるディプロマ(免状)を所持している
日本人女性は府中さんと古田だけとのことです。
今回は、その貴重な二人の対面となりました。


トーク前半は、この希少なメソッドの習得者が三人集まったとあって、
様々な訓練や見せ方などの話しに華が咲き、まるで同窓会のような雰囲気でした。
そこで、演出田中からのお願いで、普段は恐れ多くてお願いできないパフォーマンスを切り出しました。
「同じフィギューを同時に演じていただいたら、個性による表現の違いが
よりお客様にお分かりいただけるのではないでしょうか?」
お三人さん共に照れくさそうに快諾してくださりましたが、いざ始まれば空気は一転、
「斧」のフィギューを同時に実演してくださりました。
本当に恐縮なお願いでしたが、とても有意義なプレゼントを最終日のお客様にお届けできました。
ありがとうございました!


府中さんの、「わたし、ずっとひとりぼっちだったんですよ。
でも、まさかこうして、日本で自分が客席から観ることができるとは思ってもみなかったので
とても感動しています。あっちゃん本当にありがとう。」
という涙ながらのお言葉には、古田も僕も涙をこらえきれませんでした。
このメソッドを愛して、数十年前に女性でありながら単身パリへ渡り、
厳しい訓練を乗り越えて、芸術表現を探求し続けてきた府中さんの孤独な心中は計り知れません。
恐らく同じく単身イギリス留学をして同様の体験をした古田にも同調するものがあるのだと思います。


今回、ミーム・コーポレル・ドラマティックという身体表現メソッドを通して、
古田敦子という優しい吸引力を持つ人柄とその表現世界に深く触れることで
ひととひとのつながり、愛情、思いやり、孤独、探究心、好奇心、喜び、悲しみ、
それら全てをひしひしと身体の内側で感じました。
まだまだ、偉大なエネルギーを秘めたこのメソッドと古田敦子の可能性に
さらなる期待が膨らんだひとときでした。


この場をお借りしまして、
ボランティアで駆けつけて下さった仲間・友人・家族、
ご協力くださいました全ての皆様、
そして、ご来場下さいました皆様へ、
こころより、厚く御礼申し上げます。


演出・田中秀彦